eSIMを使うとLINEが使えなくなるって本当?
結論からいうと、eSIMが原因でLINEが使えなくなることは基本的にありません。eSIMはデータ通信を提供する手段であり、LINEはそのデータ通信の上で動くアプリです。ただし、いくつかの落とし穴があって、「eSIMに切り替えたらLINEが繋がらなくなった」と感じる人が一定数います。その原因のほとんどは設定ミスか、訪問先の国の規制です。
旅行前に仕組みを理解しておくだけで、現地でのトラブルをほぼゼロにできます。以下では、よくある原因とその対処法を順番に解説します。
なぜeSIM使用中にLINEが繋がらなくなるのか?
eSIM使用中にLINEが使えなくなる原因は、大きく分けて「データ通信の設定ミス」「電話番号の変更による認証エラー」「訪問先の国のインターネット規制」の3つです。それぞれ原因が異なるため、対処法も変わります。
データ通信が有効になっていない
最も多いケースです。eSIMをインストールしたあと、データ通信の「優先回線」設定がeSIMではなく日本のメインSIMのままになっていると、海外ではデータが流れません。iPhoneであれば「設定」→「モバイル通信」→「モバイルデータ通信」で、eSIMのプランが選択されているか確認しましょう。
Androidの場合も同様で、「設定」→「ネットワークとインターネット」→「SIM」から、eSIMをデータ通信用に設定する必要があります。eSIMの設定方法をゼロから確認したい方はこちらのガイドが参考になります。
電話番号の変更でLINEの認証が求められる
LINEは電話番号と紐づいた認証システムを採用しています。eSIMを追加しただけでは電話番号は変わりませんが、もし日本のSIMを完全に取り外して別の番号のSIMに切り替えた場合、LINEが「不正アクセス」と判断して再認証を求めることがあります。
eSIMの正しい使い方は「日本のSIMを残したまま、eSIMを追加する」デュアルSIM運用です。こうすれば日本の電話番号はそのまま維持されるため、LINEの認証が突然求められることはありません。
訪問先の国でLINEやVoIPが制限されている
中国・イラン・北朝鮮など一部の国では、政府によるインターネット規制(いわゆるグレートファイアウォール)によってLINEを含む多くのSNSやメッセージアプリが遮断されています。これはeSIMの問題ではなく、現地の通信インフラ自体の制限です。
中国でeSIMを使う際の注意点(VPN・LINE・Google制限)は別記事で詳しく解説しています。中国旅行を計画している方は必ず事前に読んでおいてください。
LINEを海外で使い続けるために出発前にやること
出発前の準備が、現地でのトラブルを防ぐ最大の対策です。以下の4つのステップを出発前に必ず完了させておきましょう。特にLINEのバックアップとトークの引き継ぎ設定は、スマートフォンの機種変更時と同じ感覚で対応できます。
ステップ1:LINEのアカウント引き継ぎ設定を有効にする
LINEアプリの「設定」→「アカウント」から、「アカウント引き継ぎ」をオンにしておきます。有効期限は36時間なので、出発直前に設定するのが理想です。これにより、万が一再認証が必要になった場合でもスムーズに復元できます。
ステップ2:LINEのトーク履歴をバックアップする
「設定」→「トーク」→「トークのバックアップ」からiCloud(iPhone)またはGoogleドライブ(Android)にバックアップを取っておきます。データが消えるリスクはほぼありませんが、念のための保険として有効です。
ステップ3:eSIMをインストールして通信テストをする
出発前に自宅のWi-Fiがある環境でeSIMをインストールし、QRコードを読み込んでプロファイルを設定します。インストール後、データ通信をeSIMに切り替えてLINEが正常に動作するか確認しておくと安心です。eSIMの設定ガイドに沿って進めれば、初めての方でも10分程度で完了します。
ステップ4:日本の電話番号(メインSIM)を維持する設定にする
iPhoneのデュアルSIM設定で「通話とSMS」は日本のSIMのまま、「モバイルデータ通信」だけeSIMに切り替えます。こうすることで日本の番号が有効な状態を保ちながら、海外データ通信はeSIMで賄えます。LINEの認証はこの日本番号に紐づいているため、再認証のリスクがほぼなくなります。
eSIMとローミング、どちらがLINEを使うのに向いている?
LINEを使う目的だけで考えれば、eSIMとキャリアのローミングどちらでも繋がります。ただしコストと使い勝手には大きな差があります。以下の比較表を参考にしてください。
| 比較項目 | eSIM(タビシム等) | ドコモ海外定額 | ahamo海外データ |
|---|---|---|---|
| 料金目安(7日間) | ¥890〜¥3,000程度 | 約¥6,860(¥980×7日) | 無料(20GBまで) |
| データ容量 | プランによる(1GB〜無制限) | 24時間ごとのデータ制限あり | 20GB(15日間) |
| 設定の手間 | QRコード読み込みのみ | ローミング設定をONにするだけ | 設定不要 |
| 日本番号の維持 | ◎(デュアルSIM運用) | ◎(そのまま使える) | ◎(そのまま使える) |
| LINEの使いやすさ | ◎ | ◎ | ◎(15日以内) |
| 長期旅行(15日超) | ◎ | △(コスト高) | △(速度制限) |
| ahamo以外のキャリア | ◎ | ◎ | ✕(ahamo契約必須) |
※料金は2026年7月時点。変動する場合があります。
ahamoユーザーへの補足: ahamoの海外データ通信は20GBまで追加料金なしで使えるため、2週間以内の旅行なら非常に優秀です。ただし15日を超えると速度制限がかかり、LINEの画像・動画送受信が遅くなることがあります。長期旅行や、ahamoを契約していない方にはeSIMが最適解です。
eSIMとキャリアローミングの詳しい比較はこちらでも確認できます。
国別:LINEが使えない・使いにくい国はどこ?
訪問先の国によって、LINEの使いやすさは大きく変わります。eSIMでデータ通信が確保できていても、現地の規制によって接続できないケースがあります。旅行先が以下に該当する場合は、事前の対策が必要です。
中国:LINEは原則使えない
中国ではグレートファイアウォール(防火長城)と呼ばれるインターネット検閲システムにより、LINE・WhatsApp・Instagram・Google・YouTubeなどが遮断されています。eSIMを使っていても同様で、現地のデータ通信でこれらのサービスにアクセスすることは基本的にできません。
対策としてはVPN(仮想プライベートネットワーク)の利用が一般的ですが、中国国内でVPNを新規インストールすることは困難です。必ず日本出発前にVPNアプリをインストールし、動作確認をしておくことが重要です。
イラン・北朝鮮:多くのサービスが制限
イランでもLINEを含む多くのSNSが制限されています。北朝鮮は一般旅行者向けのインターネットアクセス自体がほぼ提供されていません。
それ以外の国:基本的に問題なし
東南アジア(タイ・ベトナム・マレーシア・フィリピンなど)、ヨーロッパ、アメリカ、韓国、台湾、オーストラリアなど、日本人が多く訪れる国のほとんどではLINEは問題なく使えます。eSIMでデータ通信さえ確保すれば、日本にいるときと同じ感覚でLINEを使えます。
eSIM使用中にLINEが繋がらなくなったときの対処法
現地でLINEが突然使えなくなったとき、焦らず順番に確認していけばほとんどのケースで解決できます。最初にすべきことは「データ通信が本当に有効か」の確認です。Wi-Fiに繋いでLINEが動くなら、eSIMのデータ設定の問題です。
チェックリスト:この順番で確認する
- 機内モードをOFF/ONする — 接続をリセットする最も簡単な方法
- データ通信の優先回線を確認 — eSIMがデータ通信に設定されているか
- データローミングがONになっているか確認 — 海外では必ずONにする必要がある
- Wi-Fiに繋いでLINEを試す — Wi-Fiで繋がるならeSIMの設定問題
- スマートフォンを再起動する — 設定変更後は再起動で反映されることが多い
- eSIMプロバイダーのサポートに連絡 — 上記で解決しない場合
eSIMが繋がらないときのトラブルシューティング完全版にも詳しい手順が掲載されています。
LINEの再認証が求められた場合
LINEが「ログインしてください」と表示された場合、日本の電話番号宛にSMSまたは音声通話で認証コードが届きます。デュアルSIM運用であれば日本のSIMが有効なため、SMSを受け取ることができます。
ただし、日本のSIMがデータ通信専用(SMS非対応)の場合は、音声通話を選択するか、事前に設定した「バックアップの確認方法」(メールアドレス認証など)を使います。
eSIMはどんなスマートフォンで使える?
eSIMを使うには、スマートフォンがeSIMに対応している必要があります。2026年現在、主要なiPhoneとAndroidの多くはeSIMに対応していますが、古い機種や一部のSIMロック端末では使えない場合があります。
eSIM対応機種の一覧で自分のスマートフォンが対応しているか確認できます。
主なeSIM対応機種の目安:
- iPhone: iPhone XS以降(iPhone 15以降はeSIMのみ、物理SIMスロットなし)
- Samsung Galaxy: S21以降の多くの機種
- Google Pixel: Pixel 3以降
- その他: OPPO、Xiaomi、Sony Xperiaの一部機種
日本で購入したSIMロック端末でも、2021年10月以降に発売されたものは原則SIMロック解除済みのため、eSIMは問題なく利用できます(総務省の指針による)。
LINEの無料通話・ビデオ通話はeSIMで使える?
LINEの無料通話(音声・ビデオ)は、データ通信があれば海外でも使えます。eSIMでデータ通信が確保されていれば、日本国内と同じようにLINE通話・ビデオ通話を楽しめます。
データ消費量の目安(LINE公式サポート参照):
- 音声通話:約1分あたり0.5〜1MB
- ビデオ通話:約1分あたり4〜6MB
- テキストメッセージ:ほぼ無視できる量
1GBのeSIMプランでも、LINEの音声通話なら約16〜33時間、ビデオ通話なら約2〜4時間使える計算です。旅行中のデータ消費量の目安も参考にしながら、適切なプランを選びましょう。
ただし、中国など規制のある国ではLINE通話も使えません。現地でのコミュニケーション手段として、WeChat(微信)など現地で使われているアプリを事前にインストールしておくことをおすすめします。
eSIMとLINEに関するよくある疑問
eSIMを使うとLINEの電話番号が変わる?
eSIMを追加しても、日本のメインSIMの電話番号は変わりません。タビシムを含む海外旅行用eSIMはデータ通信専用プランがほとんどで、新しい電話番号は付与されません。日本の番号をそのまま維持できるため、LINEの認証番号も変わらず、友だちへの連絡先も変更不要です。
eSIMとメインSIMのデュアルSIM運用はLINEに影響する?
影響はありません。デュアルSIM設定で「通話・SMS」を日本のSIM、「データ通信」をeSIMに割り当てれば、LINEは日本の番号で認証されたまま、eSIMのデータ通信でメッセージや通話ができます。これが海外旅行でのeSIM活用の基本的な使い方です。
LINEのビデオ通話はeSIMで問題なく使える?
eSIMでデータ通信が確保されていれば、LINEのビデオ通話は問題なく使えます。ビデオ通話は1分あたり約4〜6MBのデータを消費するため、長時間の通話を予定している場合は余裕のあるデータ容量のプランを選ぶことをおすすめします。
中国旅行中にLINEを使う方法は?
中国ではグレートファイアウォールによりLINEが遮断されているため、VPNを使わないとアクセスできません。VPNアプリは必ず日本出発前にインストールして動作確認をしておく必要があります。中国国内ではVPNアプリのダウンロード自体が困難です。詳しくは中国旅行のeSIM注意点ガイドをご覧ください。
eSIMのデータを使い切るとLINEはどうなる?
eSIMのデータを使い切ると、データ通信が停止するためLINEも使えなくなります(Wi-Fiがあれば引き続き使えます)。追加データの購入、またはeSIMプランのトップアップで復旧できます。タビシムでは追加プランの購入もアプリから簡単に行えます。
eSIMに切り替えたらLINEのログアウトを求められた。どうすればいい?
これはLINEのセキュリティ機能で、新しいデバイスまたは新しいネットワーク環境を検知したときに発生することがあります。日本の電話番号宛にSMS認証コードが届くので、それを入力すれば再ログインできます。デュアルSIM運用であれば日本のSIMが有効なため、SMSを受け取れます。
格安eSIMとキャリアローミング、LINEを使うならどちらがいい?
LINEを使うだけなら、どちらでも問題なく繋がります。コスト面では、7日間の旅行でキャリアのローミングが約¥6,860〜¥20,860かかるのに対し、eSIMは旅行先・データ量によって¥890〜¥3,000程度で済むことが多いです。長期旅行や、ahamoを契約していない方にはeSIMが大幅にコストを抑えられます。
iPhoneとAndroidでeSIM設定の手順は違う?
基本的な流れ(QRコードを読み込んでプロファイルをインストールする)は同じですが、設定メニューの場所や表示が異なります。iPhoneは「設定」→「モバイル通信」から、Androidは機種によって「設定」→「ネットワークとインターネット」→「SIM」から操作します。詳しい手順はeSIM設定ガイドで機種別に解説しています。
まとめ:eSIMを使えばLINEも快適に使える
eSIMとLINEの相性は、基本的に良好です。正しく設定すれば、海外でも日本と同じようにLINEのメッセージ・音声通話・ビデオ通話を楽しめます。
出発前に確認しておくべきポイント:
- LINEのアカウント引き継ぎ設定をONにする(36時間有効)
- トーク履歴をバックアップしておく
- eSIMをインストールし、データ通信をeSIMに設定する
- デュアルSIM設定で日本の電話番号を維持する
- 中国など規制のある国への旅行ならVPNを事前に準備する
これだけ準備しておけば、現地でLINEが使えなくて困るケースはほぼゼロになります。eSIMは空港でSIMカードを買う手間もなく、到着直後から使えるのが最大の魅力。キャリアの高額ローミング料金を払い続けるより、eSIMで賢くコストを抑えながら、快適なコミュニケーションを楽しんでください。
eSIMとは何かをゼロから知りたい方はこちらもどうぞ。旅先でも、日本の家族や友人との連絡がスムーズにできる旅を。






