海外のスマホ代、実はこんなに差がある
旅先でGoogleマップを開いたら、帰国後に数万円の請求が来た——そんな話は今も珍しくありません。総務省の調査によると、海外渡航者の約40%が「通信費が予想より高かった」と感じた経験があるとされています(総務省 令和5年度通信利用動向調査)。
一方、GSMAの2025年レポートでは、eSIMを搭載したスマートフォンの出荷台数が世界全体の50%を超え、旅行者の間でeSIM利用率が急増していることが示されています。つまり、「海外でもお得に使える選択肢」はすでに多くの人の手の届くところにあります。
ポイントはこれだけ:旅行の長さ・目的地・使うデータ量によって、最適な手段はまったく異なります。この記事では、2026年時点の最新料金をもとに、主要4手段を正直に比較します。
主要4手段をざっくり整理すると?
海外でスマホを使う方法は大きく4つに分かれます。それぞれ料金体系・利便性・向いている旅行スタイルが異なるため、まず全体像を把握しておきましょう。
| 手段 | 料金感 | 手続きの手間 | 向いている旅行者 |
|---|---|---|---|
| 国内キャリアの海外ローミング | ¥980〜¥2,980/日 | ほぼ不要 | 短期・ライトユーザー |
| ahamo海外データ | 追加¥0(20GB) | 不要 | ahamoユーザー限定 |
| WiFiレンタル | ¥300〜¥1,500/日 | 受取・返却が必要 | 複数人でシェア |
| 旅行用eSIM | 数日〜数週間で¥数百〜数千 | QRコードで完結 | 個人旅行全般 |
各手段の詳細を次のセクションで掘り下げます。
ドコモ・au・ソフトバンクの海外ローミングはいくらかかる?
国内キャリアの海外ローミングは「設定不要で使える」という利便性が最大の魅力です。ただし、料金は決して安くありません。2026年7月時点の主要3キャリアの料金は以下の通りです。
| キャリア | プラン名 | 料金 | 容量・制限 |
|---|---|---|---|
| ドコモ | 海外1dayパス | ¥980/24時間 | 対象82カ国・地域 |
| au | 世界データ定額 | ¥980/24時間 | 対象150カ国・地域 |
| ソフトバンク | 海外パケットし放題 | 最大¥2,980/日 | 対象150カ国・地域 |
※料金は2026年7月時点。変動する場合があります。
7日間旅行でのシミュレーション
ハワイに7泊8日で行くケースを考えてみましょう。
- ドコモ 海外1dayパス: ¥980 × 7日 = ¥6,860
- au 世界データ定額: ¥980 × 7日 = ¥6,860
- ソフトバンク 海外パケットし放題: 最大¥2,980 × 7日 = 最大¥20,860
ドコモ・auは比較的リーズナブルですが、ソフトバンクは上限が高く、長期になるほど割高感が増します。また、いずれも「対象国」に制限があるため、訪問先が対象外の場合は別途確認が必要です。
ahamoの海外データ通信は本当にお得?
**ahamoは月額基本料(¥2,970)の範囲内で、海外82カ国・地域でも20GBのデータ通信が使えます。追加料金はゼロ。**これは日本の大手キャリアプランの中で最もコスパが良い選択肢のひとつです。ただし、「万能」ではありません。
ahamoのメリット
- 追加料金なし: 月20GBの国内データをそのまま海外でも使える
- 設定不要: 現地に着いたらそのまま繋がる
- 速度が安定: 国内と同じ回線品質(NTTドコモ網)
ahamoの注意点
- 15日以上の旅行は速度制限: 海外での利用は連続15日まで。超過すると128kbpsに制限(実質的にSNSの画像読み込みも困難)
- 20GB超過後も速度制限: 月20GBを使い切ると同様に128kbpsへ
- ahamo契約が前提: 現在ドコモ・au・ソフトバンクを使っている方は乗り換えが必要
- 通話は別料金: 音声通話は22円/30秒(国内発信)
ahamoが向いているケース
2週間以内の旅行で、月20GBに収まるデータ使用量なら、ahamoは非常に強力な選択肢です。たとえば韓国・台湾・東南アジアへの1週間旅行なら、追加コストゼロで快適に使えます。
海外旅行でのデータ通信量の目安を事前に確認しておくと、20GBで足りるかどうかの判断がしやすくなります。
WiFiレンタルは今でも使う価値がある?
WiFiレンタルは「複数人でシェアできる」点が最大の強みです。1台のルーターで家族やグループ全員が接続できるため、人数が多いほど1人あたりのコストが下がります。ただし、2026年現在、個人旅行者にとっての優位性はかなり薄れています。
WiFiレンタルの料金感
- 国内大手レンタル会社: ¥300〜¥1,500/日(容量・目的地によって異なる)
- 空港カウンター受取: 便利だが、返却を忘れると延滞料が発生
- 郵送受取・返却: 前日までの手配が必要
WiFiレンタルのデメリット
- 充電が必要: モバイルルーターのバッテリーを毎日管理しなければならない
- 紛失・破損リスク: 補償オプションが別途必要な場合がある
- 返却の手間: 空港の返却ボックスを見つける、または郵送手配が必要
- 1台に依存: ルーターを忘れたり電池切れになったりすると全員が使えなくなる
WiFiレンタルが向いているケース
4人以上のグループ旅行や、eSIM非対応の古い端末しか持っていない場合はまだ選択肢になります。ただし、家族旅行でも各自がeSIM対応スマホを持っているなら、個別にeSIMを購入した方が柔軟です。
旅行用eSIMはどんな仕組みで、なぜ安い?
**eSIMとは、スマートフォンに内蔵された電子SIMのことで、QRコードをスキャンするだけで海外の通信プランを有効化できます。**物理SIMカードの入れ替えが不要で、日本の電話番号をそのまま維持しながら海外データ通信だけを追加できるのが特徴です。
仕組みの詳細はeSIMとは何か?わかりやすく解説をご覧ください。
なぜeSIMは安いのか
旅行用eSIMが安い理由は、現地キャリアの卸売り回線を使うためです。空港のSIMカード販売店のような中間コストがなく、アプリやウェブで直接購入・有効化できます。また、使う分だけ購入できるため、無駄が生じません。
eSIMの料金例(2026年7月時点)
| 目的地 | 容量 | 日数 | 参考価格帯 |
|---|---|---|---|
| 韓国 | 3GB | 5日 | ¥500〜¥900 |
| タイ | 5GB | 7日 | ¥800〜¥1,500 |
| ハワイ(アメリカ) | 10GB | 10日 | ¥1,500〜¥3,000 |
| ヨーロッパ(広域) | 10GB | 15日 | ¥2,000〜¥4,000 |
※価格は参考値。プロバイダーや購入タイミングにより変動します。
eSIM対応端末の確認
eSIMを使うには、端末がeSIMに対応している必要があります。iPhone XS以降、Galaxy S20以降、Google Pixel 3a以降など、2019年以降に発売された主要スマートフォンの多くが対応しています。詳しくはeSIM対応機種一覧をご確認ください。
4手段を正直に比較:どれが一番お得?
結論を先に言うと、「どれが一番お得か」は旅行の条件次第です。ただし、個人旅行・eSIM対応スマホ・2週間以内の旅行という最も一般的なケースでは、旅行用eSIMが最もコスパに優れています。
旅行パターン別おすすめ手段
| 旅行パターン | おすすめ手段 | 理由 |
|---|---|---|
| 3日以内の弾丸旅行(韓国・台湾など) | ahamo or eSIM | ahamoなら追加費用ゼロ、eSIMも格安 |
| 7〜14日の一般的な海外旅行 | eSIM | キャリアローミングより大幅に安い |
| 15日以上の長期旅行 | eSIM | ahamoの15日制限を超えるため |
| 家族4人以上のグループ旅行 | eSIM(個別)or WiFiレンタル | 各自eSIMが最も柔軟 |
| eSIM非対応端末を使っている | WiFiレンタル or 現地SIM | 選択肢が限られる |
| データをほとんど使わない出張 | キャリアローミング | 設定不要で安心 |
コスト比較:ハワイ7日間の場合
- ドコモ 海外1dayパス: ¥6,860
- au 世界データ定額: ¥6,860
- ソフトバンク 海外パケットし放題: 最大¥20,860
- WiFiレンタル(1日¥800想定): ¥5,600(返却・充電の手間あり)
- ahamo(月20GB内): ¥0追加(ahamo契約者のみ)
- 旅行用eSIM(10GB/10日): ¥1,500〜¥3,000
海外eSIMとローミングの詳細比較も参考にしてみてください。
eSIMの設定方法は難しい?
**eSIMの設定はQRコードをスキャンするだけで完結します。スマートフォンの操作に慣れている方なら、5分もあれば終わります。**出発前に日本でプロファイルをインストールしておき、現地到着後に有効化するだけです。
基本的な設定ステップ
- eSIMプロバイダーのサイト/アプリでプランを購入
- メールまたはアプリ内でQRコードを受け取る
- スマートフォンの設定 → モバイル通信 → eSIMを追加 → QRコードをスキャン
- プロファイルがインストールされる(この時点ではまだ有効化しない)
- 現地到着後、eSIMをオンに切り替えて完了
iPhoneとAndroidで手順が若干異なります。詳しい手順はeSIM設定ガイド(iPhone・Android対応)をご覧ください。
よくある失敗と対処法
- QRコードをスキャンできない: スクリーンショットからの読み取りは機種によって非対応。印刷するか別デバイスで表示する
- 現地でeSIMが繋がらない: データローミングがオフになっていることが多い。設定 → モバイル通信 → データローミングをオンに
- デュアルSIMの設定ミス: 日本のSIMとeSIMを正しく使い分けるため、「データ通信用SIM」をeSIMに設定する
データ容量はどのくらい必要?
**1日あたりの目安は、SNS・地図・メッセージ程度の一般的な使い方で500MB〜1GB、動画を頻繁に見るなら2〜3GBです。**7日間の旅行なら3.5〜7GB、余裕を持って10GBプランを選ぶのが一般的です。
用途別データ消費量の目安
| 用途 | 消費量の目安 |
|---|---|
| Googleマップのナビ(1時間) | 約10〜30MB |
| Instagram閲覧(30分) | 約100〜200MB |
| YouTube(標準画質・30分) | 約250〜500MB |
| LINE通話(1時間) | 約200〜400MB |
| Webブラウジング(1時間) | 約50〜100MB |
旅行中のデータ使用量をより詳しく知りたい方は海外旅行のデータ通信量目安ガイドが参考になります。
節約のための実践的なヒント
旅行中のデータ通信費をさらに抑えるための実践的なコツをまとめました。
出発前にやっておくこと
- 地図をオフラインダウンロード: Google マップやMaps.meで目的地の地図を事前にダウンロードしておくと、現地でのデータ消費を大幅に削減できます
- 動画・音楽のオフライン保存: NetflixやSpotifyはオフライン再生に対応。機内や移動中に楽しめます
- アプリの自動更新をオフ: WiFi接続時のみ更新する設定に変更しておきましょう
- 写真のクラウド自動バックアップをオフ: 大量の写真が自動アップロードされるとデータを大量消費します
現地でのデータ節約術
- ホテルのWiFiを積極的に活用: 大容量のダウンロードやビデオ通話はWiFiで
- データセーバーモードを活用: iPhoneの「低データモード」やAndroidの「データセーバー」を使うと消費量を抑えられます
- キャッシュを活用: 翻訳アプリや乗換案内は事前にダウンロードしておく
FAQ
eSIMとSIMカードの違いは何ですか?
eSIMはスマートフォンに内蔵された電子SIMで、物理的なカードを差し替える必要がありません。QRコードをスキャンするだけでプランを有効化でき、日本の電話番号を維持したまま海外データ通信を追加できます。物理SIMカードは端末から取り外して差し替える必要があり、日本の番号が一時的に使えなくなります。
ahamoを使っていれば海外でeSIMは不要ですか?
15日以内の旅行で月20GB以内に収まるなら、ahamoだけで十分なケースが多いです。ただし、15日を超える長期旅行や、20GBを超えそうな使い方をする場合はeSIMの追加が有効です。また、ahamo以外のキャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)を使っている方は、乗り換えなしにeSIMが最も手軽な節約手段になります。
eSIMはどの国で使えますか?
タビシムのeSIMは200以上の国と地域で利用可能です。韓国・台湾・タイ・ハワイ(アメリカ)・ヨーロッパなど主要な旅行先はほぼカバーしています。ただし、国によって対応するネットワーク(4G LTE/5G)や速度が異なるため、購入前に目的地のプラン詳細を確認することをおすすめします。
eSIM対応スマートフォンかどうか確認する方法は?
iPhoneの場合は「設定 → 一般 → 情報」でeSIMの項目が表示されれば対応しています。Androidの場合は「設定 → ネットワークとインターネット → SIM」または「モバイルネットワーク」の中にeSIM追加の項目があれば対応しています。iPhone XS(2018年)以降、Galaxy S20(2020年)以降、Google Pixel 3a(2019年)以降など、比較的新しい端末の多くが対応しています。
データを使い切ったらどうなりますか?
eSIMのプランによって異なります。多くのプランはデータを使い切ると速度が大幅に低下(128kbps程度)しますが、通信が完全に切れるわけではありません。追加データを購入して容量を増やせるプランもあります。旅行前に使い切った場合の仕様を確認しておくと安心です。
WiFiレンタルとeSIMはどちらが使いやすい?
個人旅行ならeSIMの方が圧倒的に使いやすいです。WiFiレンタルは受取・返却の手間があり、バッテリー管理も必要です。一方eSIMはQRコードをスキャンするだけで設定でき、荷物も増えません。4人以上のグループ旅行や、eSIM非対応端末を使っている場合はWiFiレンタルが選択肢になります。
海外でeSIMを購入・設定することはできますか?
技術的には可能ですが、QRコードのスキャンにはインターネット接続が必要なため、現地到着後にeSIMなしで接続する手段がないと設定できません。出発前に日本でプロファイルをインストールしておき、現地でオンにするだけの状態にしておくのが最もスムーズです。
キャリアのローミングとeSIMを同時に使うことはできますか?
デュアルSIM対応のスマートフォンであれば、日本のキャリアSIMとeSIMを同時に使えます。日本の電話番号での着信はキャリアSIMで受けながら、データ通信はeSIMを使うという設定が可能です。これにより、日本の番号を維持したまま海外での通信コストを大幅に削減できます。
まとめ:あなたに合った手段を選ぼう
海外でのスマホ代を節約する方法は、旅行の長さ・目的地・使用データ量・現在の契約キャリアによって最適解が変わります。
簡単な判断基準をまとめると:
- ahamoユーザー × 15日以内 × 20GB以内 → ahamoをそのまま使う(追加費用ゼロ)
- eSIM対応スマホ × 個人旅行 × コスト重視 → 旅行用eSIMが最もお得
- 複数人グループ × eSIM非対応端末あり → WiFiレンタルを検討
- 設定が面倒・短期出張 → キャリアの海外ローミング(1日パック)
旅行用eSIMは、2026年現在、ほとんどの個人旅行者にとって最もバランスの取れた選択肢です。海外旅行でeSIMを初めて使う完全ガイドも参考に、次の旅行からスマホ代の節約を始めてみてください。
旅先でのデータ通信手段をもっと詳しく比較したい方は、海外旅行のデータ通信手段を徹底比較:eSIM vs WiFiレンタル vs ローミングもあわせてご覧ください。






