eSIMが「ダメ」と言われるのはなぜ?まず結論から
eSIMへの不満や批判の声は、主に「使えると思ったら端末が非対応だった」「設定が難しくて繋がらなかった」「通話ができなくて困った」という実体験から来ています。これらは確かに起こりうる問題ですが、事前に知っておけば全て対処可能です。eSIM自体の技術的な欠陥ではなく、「使い方の理解不足」や「準備不足」が原因であることがほとんどです。
eSIMとは何か基本から知りたい方は、こちらのeSIM入門ガイドも参考にしてください。
実際、GSMA(国際移動体通信事業者協会)の2025年レポートによると、世界のeSIM対応デバイス出荷台数は2024年に前年比40%以上増加し、2026年末までに全スマートフォン出荷の過半数がeSIM対応になると予測されています。技術としての普及は着実に進んでいます。
では、具体的にどんなデメリットがあり、どう対策すればいいのか。一つずつ正直に見ていきましょう。
デメリット①:eSIM対応端末でないと使えない
eSIM最大のハードルは、対応端末でなければそもそも使えないという点です。どれだけ良いプランを買っても、スマートフォンがeSIMに対応していなければ意味がありません。
どの端末が対応している?
2026年時点で主要なeSIM対応端末は以下の通りです。
| メーカー | 対応モデル例 |
|---|---|
| Apple(iPhone) | iPhone XS以降(XR含む) |
| Samsung(Galaxy) | Galaxy S20以降、Z Fold/Flip全シリーズ |
| Google(Pixel) | Pixel 3a以降 |
| Sony(Xperia) | Xperia 10 IV以降、Xperia 1 IV以降 |
| SHARP(AQUOS) | AQUOS sense7以降(一部モデル) |
| Fujitsu(arrows) | arrows We2以降(一部モデル) |
ただし、日本国内の一部キャリアモデル(SIMロック端末)はeSIMが制限されている場合があります。また、格安スマートフォンや古い機種は対応していないことが多いです。
対策:出発前に必ず確認する
旅行前にeSIM対応機種の一覧ページで自分の端末を確認しましょう。確認方法はシンプルで、iPhoneなら「設定 → 一般 → 情報」でeSIMの項目が表示されるかどうか、Androidなら「設定 → ネットワーク → SIM」でeSIMの追加オプションがあるかどうかで判断できます。
デメリット②:設定が難しく感じる
「QRコードを読み込むだけ」と言われても、初めての人には手順が不明確で不安に感じることがあります。特に「アクティベーションのタイミング」「APNの設定」「データローミングのオン/オフ」など、慣れていないと迷いやすいポイントがあります。
実際の設定はどのくらい難しい?
正直なところ、慣れれば5分もかかりません。ただし、初めての方が現地到着後に焦りながら設定しようとするとトラブルになりやすいのは事実です。よくある失敗パターンは以下の3つです。
- QRコードを読み込む前にWi-Fiを切ってしまう → QRコードの読み込みにはインターネット接続が必要
- アクティベーションを現地でしようとして繋がらない → 日本出発前に設定だけ済ませておくのがベスト
- データローミングをオンにし忘れる → eSIMを設定してもこの設定を忘れると通信できない
対策:日本にいる間に設定を完了させる
eSIM設定の完全ガイドを参考に、出発前日までに設定を終わらせておきましょう。QRコードの読み込みとプロファイルのインストールは日本のWi-Fi環境で行い、現地ではデータローミングをオンにするだけの状態にしておくのが理想です。
設定でつまずいた場合の対処法は、eSIMが繋がらない時のトラブルシューティング完全版で詳しく解説しています。
デメリット③:データ専用プランが多く、通話・SMSができない
海外旅行向けeSIMのほとんどはデータ通信専用です。現地の電話番号が付与されないため、現地の固定電話や携帯電話へ電話をかけたり、SMSを受信したりすることができません。
実際に困るケースは?
- ホテルや現地ツアー会社への電話
- 現地の番号宛てSMS認証(銀行やアプリの二段階認証)
- タクシー配車アプリの電話番号認証
一方で、LINEやWhatsApp、FaceTimeなどのアプリを使った通話・メッセージは問題なく使えます。日本の家族や友人との連絡はほぼLINEで事足りるため、実際には大きな問題にならないケースが多いです。
詳しくは海外でLINEが使えなくなる?eSIM使用時の注意点と対策をご覧ください。
対策:日本の番号はそのまま維持する(デュアルSIM活用)
eSIMの最大の強みの一つが、日本のSIMを抜かずにデュアルSIMとして使えることです。日本の物理SIMをそのまま入れた状態でeSIMを追加すれば、日本の電話番号も維持できます。
- 日本への発信・着信 → 日本の物理SIM(キャリア回線)
- 海外でのデータ通信 → eSIM(現地データプラン)
この使い方なら、現地での通話が必要な場合でも日本の番号を使ったIP電話(LINEなど)で対応できます。現地番号が絶対に必要な場合は、現地でプリペイドSIMを別途購入するか、現地通話対応のeSIMプランを選ぶ方法もあります。
デメリット④:機種変更・端末故障時の手間が増える
物理SIMカードなら端末を変えるときにSIMを差し替えるだけですが、eSIMは端末に書き込まれているため、機種変更や端末故障の際に手続きが必要になります。
具体的にどんな手間がかかる?
- 機種変更時: 旧端末でeSIMを削除し、新端末で再インストールが必要(プロバイダーによっては再発行手続きが必要)
- 端末故障・紛失時: eSIMのプロファイルが端末内に保存されているため、端末が使えなくなるとeSIMも使えなくなる
- 再発行の制限: プロバイダーによっては再発行回数に制限がある場合がある
対策:QRコードや設定情報を事前に保存しておく
購入時に受け取るQRコードや認証情報は、スクリーンショットや印刷して手元に保管しておきましょう。クラウドストレージ(iCloudやGoogleドライブ)に保存しておくと、端末が変わっても再設定しやすくなります。
また、旅行中に端末が壊れた場合に備えて、eSIMが届かない・認識されない時の緊急対処法も事前に読んでおくと安心です。
デメリット⑤:すべての国・地域で使えるわけではない
「200以上の国と地域に対応」と書いてあっても、実際には一部の地域では通信品質が低かったり、エリアが限定されたりすることがあります。特に発展途上国の農村部や離島では、eSIMが対応していても実用的な速度が出ないケースがあります。
また、中国本土では一般的なeSIMプランでは多くのサービスが制限されており、VPNの使用も規制されているため、通常のeSIMプランでは使い勝手が大きく下がります(中国向けeSIMの詳細はこちら)。
対策:目的地のeSIM対応状況を事前に確認する
旅行先が決まったら、そのエリアのeSIMプランの対応状況と通信品質のレビューを確認しましょう。タビシムでは各国の対応状況ページを用意しています。
人気の旅行先では、eSIMの通信品質は概ね良好です。たとえばベトナム旅行でのeSIM実体験レポートでも、現地での通信品質の高さが報告されています。
eSIMと他の通信手段を比較すると、実際どうなの?
デメリットを理解した上で、「結局eSIMは使う価値があるのか?」という疑問に答えるために、主要な通信手段と比較してみましょう。
海外旅行での通信手段は大きく4つあります。eSIM、キャリアの海外ローミング、ahamoの海外データ通信、WiFiルーターレンタルです。それぞれの特徴を7日間の旅行を例に比較します。
| 通信手段 | 費用(7日間目安) | 手間 | データ量 | 通話 |
|---|---|---|---|---|
| ドコモ 海外ローミング | 約¥6,860(980円/日×7日) | 不要 | 日本と同じ | ◎ |
| au 海外ローミング | 約¥6,860(980円/日×7日) | 不要 | 日本と同じ | ◎ |
| ソフトバンク 海外パケットし放題 | 最大¥20,860(2,980円/日×7日) | 不要 | 日本と同じ | ◎ |
| ahamo(海外データ通信) | ¥0(月額内20GB) | 不要 | 20GB/月 | △(データのみ) |
| WiFiルーターレンタル | ¥2,100〜¥10,500(300〜1,500円/日) | 受取・返却・充電 | プランによる | × |
| eSIM(タビシム等) | ¥890〜¥3,000程度 | 事前設定のみ | プランによる | △(IP電話可) |
※2026年7月時点の料金目安。各社の最新料金は公式サイトでご確認ください。
ahamoユーザーはeSIMが必要ない?
ahamoの海外データ通信(20GB、15日間まで追加料金なし)は、確かに魅力的な選択肢です。ただし注意点があります。
- 15日を超える旅行では速度制限がかかる
- ahamo契約者のみ利用可能(ドコモ・au・ソフトバンクユーザーには使えない)
- 20GBを超えると通信速度が大幅に低下(動画視聴や地図ナビが使いにくくなる)
長期旅行や動画をよく見る方、ahamo以外のキャリアを使っている方には、eSIMの方が柔軟に対応できます。eSIMとキャリアローミングの詳しい比較はこちらもご参考に。
eSIMのデメリットをまとめて整理する
ここまで解説した5つのデメリットと対策を一覧で確認しましょう。
| デメリット | 深刻度 | 対策 |
|---|---|---|
| 対応端末が限られる | ★★★★☆ | 出発前に端末を確認する |
| 設定が難しい | ★★★☆☆ | 日本にいる間に設定を完了させる |
| データ専用で通話できない | ★★☆☆☆ | デュアルSIMでLINE通話を活用 |
| 機種変更・故障時の手間 | ★★☆☆☆ | QRコードをクラウド保存 |
| 一部の国・地域で使えない | ★★☆☆☆ | 目的地の対応状況を事前確認 |
正直なところ、「eSIMがダメ」と感じた人の多くは、対応端末の確認不足か、設定手順の理解不足が原因です。これらを事前にクリアしておけば、eSIMは海外旅行での通信手段として非常に優秀な選択肢になります。
海外旅行でeSIMは本当に必要か?メリット・デメリットの総合比較も参考にしてみてください。
eSIMのデメリットを上回るメリットとは?
デメリットばかりを見てきましたが、eSIMが急速に普及している理由も理解しておきましょう。eSIMの基本とメリットを詳しく解説した記事でも触れていますが、主なメリットは以下の通りです。
コスト面: 大手キャリアのローミングと比べると、7日間で数千円〜1万円以上の節約になるケースが多いです。
利便性: 空港でSIMカードを買うために並ぶ必要がなく、到着直後からネットが使えます。特にヨーロッパや東南アジアなど複数国を周遊する旅行では、国ごとにSIMを買い替える手間が省けます。ヨーロッパ旅行でのeSIM比較記事でも、この利便性が高く評価されています。
安全性: 物理SIMの紛失・盗難リスクがありません。
柔軟性: 必要なデータ量だけを購入でき、使い切ったら追加購入も可能。
eSIMを初めて使う人が知っておくべき注意点
eSIMを初めて使う方が特に気をつけるべきポイントを、実際のトラブル事例をもとにまとめました。
購入後すぐにQRコードを読み込まない
eSIMプランによっては、QRコードを読み込んだ時点でカウントダウンが始まるものがあります。出発直前か、現地到着後に読み込むタイミングを確認してから購入しましょう。タビシムのプランは有効期限の開始タイミングが明記されているので安心です。
複数のeSIMを同時に使う場合の設定
iPhoneでは最大8つのeSIMを保存できますが、同時にアクティブにできるのは2つまで(機種によっては1つ)です。日本のキャリアSIMとeSIMを同時に使う場合は、どちらをデータ通信に使うかの設定を確認しておきましょう。
機内モードと電源オフの違い
飛行機内では機内モードにすることでeSIMの通信を止められます。電源を完全にオフにする必要はありません。現地到着後は機内モードを解除し、データローミングをオンにするだけで繋がります。
FAQ
eSIMは古いiPhoneでも使えますか?
eSIMが使えるiPhoneはiPhone XS、XR(2018年発売)以降のモデルです。iPhone X以前の機種はeSIMに対応していません。また、一部のキャリアが販売した古いモデルはeSIMの機能がロックされている場合があるため、端末の設定画面で確認するのが確実です。
eSIMを設定したのにネットに繋がらないのはなぜですか?
最も多い原因は「データローミングがオフになっている」ことです。iPhoneなら「設定 → モバイル通信 → eSIMのプロファイル → データローミング」をオンにしてください。それでも繋がらない場合は、APNの設定が必要なプランかどうかを確認しましょう。詳しくはeSIMが繋がらない時のトラブルシューティングを参照してください。
eSIMでLINE通話はできますか?
はい、問題なく使えます。eSIMはデータ通信専用ですが、LINEやFaceTime、WhatsAppなどのIP電話アプリはデータ通信を使って動作するため、eSIM経由でも通話・ビデオ通話が可能です。日本の家族や友人との連絡はLINEで十分対応できます。
eSIMは帰国後も使えますか?
プランの有効期限内であれば引き続き使えますが、日本国内ではeSIMの対象外になるプランがほとんどです。帰国後は日本のキャリアSIM(物理SIMまたは日本向けeSIM)に切り替えて使うのが一般的です。海外旅行用eSIMは渡航期間に合わせたプランを選ぶのがベストです。
ahamoを使っていれば海外でeSIMは不要ですか?
15日以内の旅行で20GB以内に収まるなら、ahamoの海外データ通信で十分なケースが多いです。ただし、15日を超える長期旅行、20GBを超えるヘビーユーザー、ahamo以外のキャリアを使っている方にはeSIMが有効な選択肢です。また、ahamoは電話番号が変わる場合があるため、番号を維持したい方にも注意が必要です。
eSIMのQRコードを誤って削除してしまったらどうなりますか?
プロバイダーに連絡すれば、多くの場合は再発行してもらえます。ただし、再発行に時間がかかったり、手数料が発生したりする場合があります。QRコードはスクリーンショットを撮ってクラウドに保存しておくのが最善策です。タビシムではメールでQRコードを送付しているため、メール履歴からいつでも確認できます。
eSIMは何カ国まで対応していますか?
タビシムは200以上の国と地域に対応しています。ただし、1枚のeSIMで対応できる国数はプランによって異なります。複数の国を周遊する旅行には「グローバルプラン」や「地域プラン」を選ぶと、国をまたいでもそのまま使えて便利です。アジア向けeSIMプランやヨーロッパ向けeSIMプランなど、地域別プランも充実しています。
eSIMとWiFiルーターレンタル、どちらがおすすめですか?
1人旅や少人数旅行にはeSIMが断然おすすめです。WiFiルーターは複数人でシェアできる点がメリットですが、充電が必要・返却の手間がある・バッテリー切れのリスクがあるというデメリットがあります。eSIMは端末に直接設定するため、荷物が増えず、バッテリー切れの心配もありません。コストも1人あたりで比較するとeSIMの方が安くなるケースが多いです。
まとめ:eSIMのデメリットは「知っていれば怖くない」
eSIMが「ダメ」と言われる理由を5つ解説しましたが、どれも事前の準備と正しい理解があれば対処できるものばかりです。
覚えておくべき3つのポイント:
- 出発前に端末の対応確認と設定を完了させる — 現地で焦らないための最重要ステップ
- デュアルSIMを活用して日本の番号を維持する — 通話・SMS問題はこれで解決
- QRコードはクラウドに保存しておく — 機種変更・故障時のトラブルを最小化
2026年時点では、eSIM対応端末の普及率も上がり、プランの選択肢も豊富になっています。大手キャリアの海外ローミングと比べると、コスト面での優位性は依然として大きく、旅行者にとって賢い選択肢です。
デメリットを正しく理解した上で、自分の旅行スタイルに合ったプランを選んでみてください。疑問点があれば、タビシムの日本語サポートにお気軽にご相談ください。






